この恋が終わる瞬間を
「それに音大って、弾けるだけじゃいけないんだよ。筆記もあるから…今からじゃ間に合わないし」


なんだか私、言い訳してるみたい。


静司は何も言わないで、ただ肩をすくめた。


…本当なんだよ?

音大って難しいんだから。

…始めから行く気なんてないけど。



こういう時、ハルキがいてくれたらいいのに。

ハルキなら、さりげなく話題を変えてくれるのに。


ハルキはそういうのに気の回る人。

何気なく場を明るくするのが上手い。


だからハルキといると元気になれるんだ。

ずっと一緒にいたいなって思う。


…これって恋なのかな。



「さやかが良いなら、K大でもいいと思うよ」

静司が話を締めくくったので、私もそれ以上の話はやめた。
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