この恋が終わる瞬間を
【2】動き出す時
きっかけの一言 side静司
* * *
朝、待ち合わせているわけではないけど、大体いつも俺とハルキは一緒に登校する。
「そっか…さやか、音大受ける気ないのか…」
昨日の話をすると、ハルキも顔をくもらせた。
俺とハルキだけが知っている、一年前の出来事―…。
足元の石を蹴飛ばす。
ころころと転がって、塀の辺りでぴたりと止まった。
それを何気なく目で追いながら、ハルキはぽそりと呟いた。
「残念だな。俺、さやかのピアノ好きだったのに」
「…本人に言ってあげなよ。さやか、きっと喜ぶよ」
さやかはハルキが好きだから。
ハルキがそう言ってやれば、もう一度ピアノを弾く気になるかもしれない。
…そう、どんな方法だっていいんだ。
さやかがもう一度あの情熱を取り戻してくれたら。
本当は俺がなんとかしてやりたいけど…。
朝、待ち合わせているわけではないけど、大体いつも俺とハルキは一緒に登校する。
「そっか…さやか、音大受ける気ないのか…」
昨日の話をすると、ハルキも顔をくもらせた。
俺とハルキだけが知っている、一年前の出来事―…。
足元の石を蹴飛ばす。
ころころと転がって、塀の辺りでぴたりと止まった。
それを何気なく目で追いながら、ハルキはぽそりと呟いた。
「残念だな。俺、さやかのピアノ好きだったのに」
「…本人に言ってあげなよ。さやか、きっと喜ぶよ」
さやかはハルキが好きだから。
ハルキがそう言ってやれば、もう一度ピアノを弾く気になるかもしれない。
…そう、どんな方法だっていいんだ。
さやかがもう一度あの情熱を取り戻してくれたら。
本当は俺がなんとかしてやりたいけど…。