この恋が終わる瞬間を
二人の姿越しに窓の外を見ていた俺は、さやかに視線を移した。

俺の目の前に座ったハルキが、そっと顔を上げる気配。


「うーん、まだちょっと迷ってるけどね。今の所はK大かな」

「へぇ、やっぱりさやかはレベル高いね」

「千鶴は?」

「私はS教育大。S教育大がだめなら、S女子短大かなー」

「あ、ハルキもS教育大って言ってなかった?」

さやかはハルキを見て、ちょっと首をかしげる。

ウェーブがかった髪がふわっと揺れた。

「あー、一応な。でも俺、四月の模試でS教育大ランク外だったからなぁ」

「今から頑張れば大丈夫だよ」

優しい声で、そう言う。

ハルキだけに向けた、特別な声。
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