この恋が終わる瞬間を
俺はさやかを大事にしてきたから―…。


さやかがハルキを好きで、二人がそれで付き合うならそれでいいと思ってた。

さやかが幸せなら、それが一番いいと思ってた。

でも、ハルキが別の誰かを好きなら…。


「ねぇ静司、今日の放課後、物理教えて」

「いいけど…さやか、物理の授業あるの?」

「一応選択したんだけど、難しすぎて…あ、千鶴ー」

門のところに千鶴を見つけて、さやかは笑顔で手を振る。



俺にはどうしてやることもできない。

ただ、この笑顔は曇らせたくないって思うんだ。
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