この恋が終わる瞬間を
「さやかちゃんと静司君、本当に付き合ってないの?」

何度も繰り返される質問。

私も、何度も同じ返事をする。

「付き合ってないよ。幼馴染ってだけで」

クラスメイトは、不満そうな顔をした。

そこに千鶴が口を挟む。

「だめだめ、さやかは静司を『兄貴』としか見てないから」

…まぁ、あながち外れてはいないけど。


「あ、じゃあさー」

ぽん、と手を合わせて。

「さやかちゃんって春樹君のことが好きだったり? あはは、なんてねー」


私は春樹を好き?

春樹とずっと一緒にいたいっていうこの気持ちは、恋?


…でもきっと、春樹は私をそんな風には見てくれない。

千鶴とあんなに仲が良いし。

…それなら、好きにならないほうがいいのかな。


私はとっさに返事ができずに、声を上げて笑った彼女に合わせて笑って首を振った。


―…そうよ、好きにならないほうがいいに決まってる。

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