この恋が終わる瞬間を
俺達の『幼馴染』という関係は、いつ崩れたのかな。

俺は、俺を兄みたいに慕ってくるさやかを守りたいと、いつも思っていた。

そしてそれが、いつの間にか『好き』に変わっていた。


でもそれと同時に、さやかがいつも誰を見ているか気付いてしまったんだ。

―…俺がさやかを好きなように、さやかはハルキに恋をしてる。



「ハルキもS女子短大来れば?」

千鶴がにやっと笑う。

「おー、そうしよっかなー…ってオイ」


千鶴は長い手足を持て余したみたいに、ゆっくりと姿勢を変えた。

身長が高い上、ショートボブの髪がボーイッシュな雰囲気を強調している。

その隣では、小さなさやかがニコニコと笑っている。
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