この恋が終わる瞬間を
静かな部屋で、飲みかけて置いていった春樹のコーヒーを見つめる。

ミルクたっぷりの春樹、静司はブラック、私はお砂糖とミルクを少しずつ。

幼馴染みだからわかること。

ずっと三人一緒にいたからわかる習慣。


でも今、それが崩れようとしている。


あの後、春樹に何を言ったのかよく覚えていない。

しばらく何か話して、春樹は帰って行った。


…私達、もう今までみたいに三人じゃいられない。

私の大好きだった、居心地の良かった場所がなくなってしまう。

長い時間かけて積み上げたものが、一瞬で。

…そのことが、ただただ悲しかった。

< 39 / 59 >

この作品をシェア

pagetop