この恋が終わる瞬間を
道路から砂浜に伸びるコンクリートの階段。

それを使わずに、柔らかい砂の上に飛び降りる。

海はキラキラと光を反射している。

朝だからか、人通りは多い。

誰かに見つかって学校に報告なんかされたくないから、人目につかない場所まで移動した。

…小さな頃、『秘密基地』と呼んでいた場所だ。


…ずっと逃げるわけにはいかないけど。

『秘密基地』に逃げ込むと、少し安心できた。


…今は誰にも会いたくない。


膝を抱えて目を閉じる。

潮の匂いが鼻につく。

白い砂が眩しい。


…―寝れそう。


夕べ眠れなかった俺は、いつの間にか眠りに落ちていた。

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