この恋が終わる瞬間を
「…静司だって」

「俺は…学校行きたくなくて…生まれて初めてのサボり」

「私も…」


そこで、はたと昨日俺がしてしまったことを思い出す。

さやかも同じように思い出したみたいで、急に頬を赤く染めて俺との距離を取った。

「…何もしないよ」

「う、うん…」

「さやか…ごめん」

あれだけどうしようか悩んでいたのに、本人を目の前にすると、案外素直に言葉が出た。

さやかはそっと俺を見る。

「困らせるつもりじゃなかったんだ…その、いい加減な気持ちでもないんだけど…あぁ、俺何言ってるんだろ」

くす、と微笑む気配。

「…ううん、もういいよ」

泣き疲れた顔で、さやかは小さく笑った。

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