この恋が終わる瞬間を
*

千鶴はどこか上の空で、窓枠に肘をついてぼんやりと外を見ていた。

「さやか来ないねー…」

「おー」

「静司からもメールこない?」

「…きてねぇな」

さやかも静司も、今日は学校に来てない。

連絡してみても返事がない。

俺と千鶴は、休み時間ごとにこうして二人で連絡を待っている。


「さやか、大丈夫かなぁ」

「うーん…」

「…泣いてないかなぁ」


昨日、千鶴は静司と偶然会ったらしい。

俺達が付き合いだしたのを話したことも、静司の反応も、さやかのことも…全部聞いた。


さやかが俺を信頼してくれていることは知っていた。

どんな小さなことでも、何でも俺に話してくれる…―そう、妹みたいに。

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