この恋が終わる瞬間を
「千鶴、後ろ乗せてくれよ」

「えー。二人乗りはいいけど、それならハルキが前だよ」

「わーかったよ。じゃあ後ろ乗れよ」


女の子らしくて愛らしいさやかに比べて、私はこんなもの。

今の自分が嫌いなわけじゃないけど、私もさやかみたいに可愛げがあったらなぁ…なんてたまに思う。


私を後ろに乗せて、ハルキは勢いよく自転車をこぎ出した。



「静司は大学どうするのかな」

さっき本人には聞けなかったことを、ハルキに聞いてみた。

ハルキは(当然)前を向いたまま、「うーん…」なんて曖昧な返事をする。
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