君との約束


「…彩瀬。屋上いこ」

「…ん」


私たちは20分休みになると屋上に移動した。


「…―――それで?」

「……うん。俺がさ―――



俺が5歳のとき、両親が離婚した。それまでは結構2人の仲はよかったんだけど、ちょっとしたことで溝ができてしまったんだ。

そっからは猛スピードで2人の溝は深まった。些細なことでもすぐ喧嘩になって、ついに離婚。

まあこれがなにか?って思うかもしれないけどこのことがきっかけで俺は左耳が聞こえなくなった。

父親と買い物にいっていた時のことだった。俺はデパートでボールを買ってもらい、遊びながら家に帰っていた。…正直いって浮かれていたんだ。


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