30年後も…
すれ違い。

初めての。

出会った記念日、初めて逢った記念日。

アキラは祝いにきてくれた。

230キロとゆう距離が離れているにも関わらず、アキラは週に2回も逢いに来てくれている。

次はついに付き合った記念日。

私は1人暮らしをしているが、アキラは今だに私の家に来た事がない。

「家に来るのは、1ヶ月記念日にね。」

「私がディナー作るからお祝いしよう。」

と、アキラと約束をしていたからである。

私は1週間前ぐらいからレシピを見たりして、色々とディナーを考えていた。

記念日の3日ぐらい前から、アキラの態度が変わり始めていたことなど、気にもしていなかった。

ー最近メールが少なくなったかな。ー

アキラはいつも長文の絵文字たっぷりのメールをくれていた。

しかし、最近のアキラは短文の絵文字無し。

電話の回数も減った。

仕事が忙しいからだろうか。

そこまで気にしていなかった。

記念日の前日。

ディナーの前菜だけ作っておいた。

野菜の寄せ集めゼリー。

明日はアキラが始めて私の家に来る日である。

私は友達を呼んだ。

それは男友達である。

元彼の荷物があったので、元彼との共通の友達に取りに来てもらったのだ。

アキラの電話を待っている時間があまりにも長かったので、私は話し相手に一緒にいててもらった。

ープルルルルー

「あ。お疲れ様。今終わったよ。」

「そうなんだ。お疲れ様。」

「今独り?」

「今ね、友達がきてるよ。」

「そうなんだ。まさか男友達じゃないよね?」

ーどうしよう。やっぱり嘘をつくべき?でも何も怪しい事なんかない。正直に言おうー

「そうだよ。男友達だよ。」

「え。まじで。そうなんだ・・・今日は疲れてつから、もう寝るね。」

アキラは機嫌を損ねた言い方で電話を切った。

ー私、アキラからの電話楽しみにしてたのに・・・アキラが元彼の荷物なんか見たくないって思ったから友達にとりにきてもらったのに-

解ってもらえない事に悔しく、寂しくなった。

携帯をリビングに投げつけた。

「今日はわざわざありがとう。もう帰って。」

友達にも八つ当たりしてしまった。

寂しくて泣きながら眠りについた。


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