30年後も…

決意。

アキラと話してから何時間たっただろう。

仕事も手につかない。

10分でもいいから。

触れたい。

アキラの温もりに。

逢いたいよ。

逢いたいよ。

嫌いになっちゃったの?

凄く胸が苦しいよ。

ねぇ、アキラ。

その時に始めて気づいた気持ち。

ー私、アキラに凄く惚れてしまってるんだ。-

抑えてるつもりだった気持ち。

「逢いにいこう。」

友達が言ってくれた。

怖いけど、気持ちを確かめたい。

もし、アキラの気持ちが冷めてたら別れよう。

もし本当に仕事で忙しかったのなら、私はこれからアキラの事、何があっても信じる。

そう決めた。

アキラには行く事は黙っておこう。

「アキラ、今日はわがまま言ってごめんね。もう今日の事はいいから。土曜日に逢いにきて。」

とメールした。

「わかったよ。」

嘘ついてごめんね。

試すみたいでごめんね。

でもね、知りたかったの。

真実を。

アキラの会社の名前と電話番号は知っていた。

ナビに入れたら、ちゃんと会社の名前が出てきた。

「沙理奈。行くよ。」

「うん。」

家に昨日作っておいたゼリーを取りに帰り、私は彼の住んでいる町まで車を走らせた。

230キロ。

アキラがいつも通ってくれてる道のり。

こんなに遠いんだ。

改めてアキラの凄さにも気がついた。

アキラの所に向かってる時、アキラからメールがきた。

行くことを黙っておきたかったので友達にメールを返してもらった。

凄く遠く、長く感じた。

アキラいつもこの長い道のりを、独りで来てくれてるんだね。

逢いに来てくれてる事が当たり前になっていた。

私、駄目な彼女だよね。

ごめんね。

ーいつも、ありがとう。-

残り50キロを切ったあたりから、胸の鼓動が激しくなった。

逢えるのかどうかも、わからない。

ただ貴方の街に、近くに行きたいの。

もし逢えるなら逢いたい。

一緒にゼリー食べて

「おめでとう」

が言いたいよ。

ーねぇ、アキラ今どんな気持ちなの?-

私は、今、あなたに逢いにいってます。


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