30年後も…

ひとつに。

普段通り何も変わらないメールと電話のやりとり。


変わった事といえば私達はカップル。


けれども世間的に”不倫”。


結婚してる事なんて、どうでも良かった。


もっともっと電話もしたかったので、私は携帯を借りる事にした。


同じ名義だと通話料がかからない携帯。


もちろんアキラ名義で借りれるはずがないので、私が借りた。


少しでも負担を減らしたかった。


「今日も逢いに行くね」


アキラと逢うのは3回目だった。


それにまた甲子園まで迎えにきてくれた。


「勝ってよかったなー」


「うん!ほんと良かった。」


「今度一緒に行こうね」


そんなたわいもない会話。


一緒に居てるのが凄く自然。


携帯も渡した。


「オソロイだね」


「沙理奈、ありがとう」


「オソロイの物がてきて嬉しい。」


「そうそう。今日は朝まで一緒にいれるから。」


「そうなの!?大丈夫なの?」


「うん。大丈夫だよ。」


そうして車を走らせ、着いた所。


ホテルだった。


朝まで居るという事はそうだよね。


怖かった。


子供を産んだ事のある私の体は、とても26歳の体ではなかった。


”やり捨て”


こんな事も頭の中をよぎった。


アキラなら大丈夫。


信じてる。


私達付き合ってるんだもんね。


いつかはセックスしなきゃね。


ベットに2人で寝転んで、口づけ。


それら熱い口づけへと。


大きな手が私の胸、そこから下へと。


そして私達は”ひとつ”になった。


アキラのセックスは凄く優しかった。


またアキラとの距離が縮んだ気がした。


逆に不安な気持ちも生まれた。


─これからも今までと変わらない態度でいてくれるのかな─


お酒が入ってたせいか、すぐに眠りについた。
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