イケメンたちと胸キュンLife☆
「よし、完了っ」
彼は私のケータイをパチンっと閉じ、“ほらよっ"と私に投げるように渡した。
私のケータイは悲しいことにパカパカのヤツなのだ。
慶太はスマホをスイスイと操作している。
私もいつかはスマホがいぃなぁっという希望はある。
私はため息をつく。
そして慶太を睨んだ。
“最悪男め・・・絶対メールしてこないでよ"
目で伝える。
今の私のオーラはどす黒い紫色になっているのではないだろうか。
そうすると慶太が口をひらいた。
その発言は衝撃的なものだった。
「ん?
上目遣いしてんのか?
ちょー誘ってるようにしか見えないんですけど」
じりっと私に一歩近付く慶太。
反射的に一歩退く私。
頭の中のパソコンがカタカタと動き出す。
・・・上目・・・遣・・・い???
誘っ・・・て・・・る???
――――――ブーッ・・・!
私の頭の中のパソコンがショートした。
コンセントなどがバチバチと火花を飛ばしている。
頭がついていかない。
私が懸命に頭をはたらかせているというのに慶太はまた爆弾発言を私に言ってきた。
「キス・・・しちゃう?」
言葉の意味を認識しようとするがうまく頭がはたらかない。
まるでアッパーされたような感覚。脳がクラリと揺れた。
コイツ・・・
女慣れしてないんじゃないの?
初恋まだなくせに・・・。
あぁ、あれか。
ただ“本気で好きになったことがない"
ってだけか。
=女慣れ“は"している。
「サイッテー・・・」
私は慶太からバックを奪い取って、エレベーターのわきにある階段を駆け降りた。