無愛想なマリア様☆X'masミラクル☆
ひたすら、脇目も振らず走って走って…
走りながらもさっきのママの言葉を思い出して、よく分からない感情が押し寄せて、叫び出したいような気持ちを抑える為にさらにスピードをあげようとした。
パシッ!
『わっ…!』
走ってる所に急に手を掴まれてかなり驚く。
誰っ…!?
キッと睨み付けるように振り向いた先に居たのは…
「ハァハァ…愛梨亜、速すぎ…」
『安部くん…!何で…』
息を切らせて、あたしの手を掴む安部くん。
「何でって…愛梨亜が待ち合わせの時間になっても来ないから、家に来てみたら、愛梨亜が飛び出してくるし、どっか行っちゃうし…」
だからってわざわざ追いかけて来たの…?
『ごめん…今日は…』
遊園地とか言ってる気分じゃない…。
「とりあえずさ、あそこ行かない?」
『え…?』
いつものようにニコッと笑うと、道路の向こう側を安部くんが指さした。