無愛想なマリア様☆X'masミラクル☆
「首疲れない?」
『えっ…!』
急に聞こえて来た声にはっとする。
「はいっ!」
『何…?』
「寒いから飲み物!はいっ!ココアで良かった?」
そう言って渡して来た缶を受け取る。
『うん…あ、お金…』
「良いって!ほら、暖まるから早く飲みなよ!」
『…ありがとう』
「いーえ!」
あたしがお礼を言うと安部くんが満足そうに笑う。
温かい缶の蓋を開けて、ゆっくりココアを飲むと、じんわりと暖かさと甘さが広がる。
それにちょっとホッとする。
「ちょっと落ち着いた?」
『え…?』
安部くんの方を見ると、あたしを労るように微笑むいつもとは違う彼の表情。
だけど、それ以上は何も言って来ない。
『…何も聞かないの?』