無愛想なマリア様☆X'masミラクル☆
『わっ…寒い…』
病院から出たのはもう夕方で、そろそろ陽が落ち始める頃なせいかかなり寒い。
「まさか愛梨亜があんな事言うとはなぁ」
『え~?』
「ほら、織田さんに」
『あぁ…』
あたしは、今さっきの事を思い出す。
2人が病室に入って来た後、みんなで少し喋ってたんだけど、ママの彼…織田さんは何だか所在無さげで、そんな彼を見てあたしは彼に向き直って言った。
『織田さん…ママの事よろしくお願いします』
それを聞いた織田さんは一瞬、驚いた顔をしたけど、すぐに微笑んで頷いてくれた。
「ありがとう。君のママもお腹の中の子供も何に変えても守る。それに…愛梨亜ちゃんにだって、君の本当の父親には勝てないかもしれないけど、頼って欲しいんだ」
なんて図々しいか…そう言った彼に
『そうですね』
なんて言っちゃったけど本当は少し嬉しかった。