無愛想なマリア様☆X'masミラクル☆
本当にパパのクリスマスプレゼントなのかな?
だったら嬉しいな…。
今日は今までで1番最低なクリスマスになると思ってた。
でも、ママとも完全とまではまだ行かないかもだけど、分かり合えたし
いきなりは無理でも織田さんとも少しずつ話してみようと思った。
数時間前のあたしだったらこんな風に穏やかなで、素直な気持ちになれるなんて奇跡みたいだったね。
『冷たい…』
「じゃあ…こうする?」
『えっ…?』
キュッと握られた手。
ちょっと恥ずかしそうにそっぽを向く安部くん。
そんな彼にキュンとしてしまうのも今までだったら無かった感情。
『暖かい…』
キュッと握り返した手に彼は一瞬驚いた顔をしたけど、嬉しいそうに微笑んでくれた。
ねぇ、パパ?
あたし見つけたかもしれない。
霧の中で進めない時
壁にぶつかってどうしたら良いか分からない時
色んな困難が起こって出口が見えなくて立ち止まってしまった時
道を明るく照らしてくれて
冷たい手を握ってくれる
硬くなった心を溶かしてくれる
暖かな手と心を持った
そんな人を―――。
【END】