the Past
誰よりもキミが好きだから…
 
……僕は別れを選んだ
 
 
 
暗闇の道の真ん中に立ちすくむ2人
 
 
 
まるでこの空間だけずっと時間が止まっていたかのように
 
 
 
 
そして…その空間を僕は壊した
 
 
 
 
 
“マユの家まで送るよ…”
 
 
 
 
 
歩き出す2人
 
 
 
 
少し前なら、手を繋いで色々話しながら歩いた道
 
 
 
でも今は…お互いに何も話せず一定の距離で歩いている
 
 
 
そして一言も話せずキミの家の前まで着いた
 
 
 
 
キミは僕の方に歩み寄ってきた
 
 
 
“送ってくれてありがと……このありがとうも今日が最後だね…”
 
 
 
“ああ…最後だな…”
 
 
 
そう…これが最後
 
 
 
 
 
そしてきっと後戻りできる最後の一瞬
 
 
 
後悔するかもしれない
 
 
 
 
 
でも自分で決めたこと
 
 
 
 
 
“じゃあね…………バイ…バイ…”
 
 
 
“バイバイ…元気でな…”
 
 
 
 
 
そう言って僕はキミの頭をなでて…歩き出した 
先の見えない暗闇の…まるで僕の未来みたいな道を
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