スノー*フェイク
聖なるクリスマスの夜。
まるで神様が謀ったようなタイミングで、窓の外、しんしんと雪が降り積もる。
今まであたしたちの秘密を覆い隠していた雪は、跡形もなくすっかり溶けてしまったけど。
「……春姫っ…」
『は、あっ…美葛、せんせ…』
また新たな秘密が、純白の雪に埋め尽くされる。
白とは程遠い―――愛情と欲望にまみれた、赤色の秘密が。
今度は偽物なんかじゃない。
本物の―――――
【了】