スノー*フェイク
『お、覚えてるけど…』
それがどうかしたの?
口にする前に、2人は携帯電話を忙しなく操作していた。
は、速いっ…!
慣れた手付きで2人はそれぞれ電話を始め、3分と経たない内にパタンと携帯電話をたたんだ。
一体なにを…?
「 春 姫 ♪ 」
先ほどとは裏腹に弾んだ声で呼ばれ、あたしは寧ろ怯えた。
な…なにを企んでるの!?
「明日、私たちが春姫をドレスアップしますわ」
繭は両手を頬に添えて、可愛らしく首を傾げた。
い、いやいやいやいやそれはありがたいです……って、えっ?
2人の目が異常なまでに爛々と輝いていることに気付き、あたしはごくりと生唾を呑み込んだ。