同じ孤独を感じている
prologue
マンションの前には、数台のパトカー。
それを後ろから見る、野次馬たち。
好奇心と、不信感を含ませる視線が痛い。
『ついに捕まったのね。』
『以前から様子、おかしかったものね。』
前から気づいてたんだ。
だったらもっと早く、助けてほしかったのに。
両手を拘束された貴方は、静かにパトカーに乗り込んだ。
“あぁ…やっと終わるんだ”
まるで、他人事のように見る私も、貴方のように狂っちゃったのかな。
『蓮見…安心しろ。すぐに迎えにいくから。』
この世で一番大好きな笑顔で
一番、私に恐怖を与える言葉を吐き捨てて
貴方はやっといなくなってくれた。