この声が枯れるまで
『じゃあ帰りね!!』
『ばいばい!!』
私は未紗と別れ、教室に入った。
教室には、もうゆかが居て、ゆかは疾風君と仲良く喋っていた。
『ゆ~か!!おはよ』
私は二人の間に入って、朝の挨拶をする。
『百合、おはよ!!』
今日のゆかの笑顔も可愛い。
嬉しくなるの。
『疾風君もおはよ』
『おはよ!』
『あれ?タクミ君は?』
疾風君はいるのに、
タクミ君の姿はない。
まだ来てないのだろうか?
『やっぱりタクミ君に気があんじゃん…』
すると隣から声がした。それは光輝しかいない。
『げっ…いたの?』
私の顔は引きつり、その顔のまま光輝をみた。
『なんだよ!!げって』
『だって嫌なんだもん!!』
私はドカッと椅子に座り、鞄を横に掛けた。
『はっきり言うね~?
俺だって嫌だ』
『うるさい!!』
『ほら、百合も光輝もやめなって』
こう言いながら教室に入ってきたタクミ君だ。
タクミ君を見ると昨日のことを思い出して、一気にテンションが上がる。
『あっタクミ君おはよ』
『おはよ、やっぱ百合と繋がりあったんだな!!』
『そうだね…でも…パパね?変な事言ってた…』
『変な事?』
『タクミ君から何か聞いたかって!!』
『どういう意味だろうね?それ…』
『分かんないけど…パパ…あれから元気ないんだ…』
曇っていく私の表情。
やはりパパのことを思うと泣けてきてしまう。
『そっか…一回親父に聞いてみるよ。あっダメだ…親父出張だわ』
『ううん…ありがとね?』
『いちゃこくなら外でやれ』
すると突然光輝が私たちの会話を裂いた。
『黙っててよ!!』
私は光輝を睨みつけてこう言う。
光輝はふてくされたように、向こうを向いた。