この声が枯れるまで

『…り…百合?』


誰かが私のことを呼ぶ。その声で私は現実の世界へと戻ってくる。


『えっは…?何?』


後ろを振り返りゆかを見る。
ゆかは私を不思議そうに見つめていた。


『何?寝てたん?』


笑うゆか。
私は手を振って誤解を解く。


『違う違う!!何?』


『何や寝てるかと思ったわ』


ゆかがこう言うのも間違いない。
なぜならば、もう休み時間になっていたから。



『百合?頼み事あんねん。聞いてもらえる?』


ゆかは深刻そうな顔を見せて、頬を赤く染める。

『ん?何?』


『実はな、さっき疾風君からメール来てな、今度遊ばないかって来たんよ』



『えー!本当?すごいじゃん!』


思わず叫んでしまう私。だって…嬉しいもん。


『でな?二人は恥ずかしいねん。百合も来てくれへん?』



『え?邪魔じゃない?』


苦笑いを浮かべて視線を逸らす。
するとゆかは私の手を握って、瞳を潤わした。


『全然邪魔じゃない!!来て欲しいねん…タクミ君も誘ってさ?』



『タクミ君かぁ…いいよ!じゃあタクミ君に言っとくね!』


きっと不安なんだよね。ゆかは…


『ほんまありがとう』とゆかは笑顔を見せた。


私はゆかに聞いてみることにした。


『ゆか…恋ってどんなモノ?』



『ん~好きで好きでたまらんくなるで!!
体とか熱くなんねん』


私はゆかの言葉で、目が覚めた。


《体が熱くなる》

私も同じだ。
今、私は光輝を見ると体が熱くなる。

それは、
何かの警告なんだ。




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