この声が枯れるまで
―そして時は過ぎ、日曜日。
今日は、ゆかとタクミ君と疾風君と遊ぶ日。
先日話していたことだ。待ち合わせは駅に10時。私は早く起きて、準備をした。
今日は髪をストレートにしてみた。
いつもより丁寧に化粧をして、昨日用意しておいた服に身を包む。
ゆかの恋うまく行くといいな…と小さく願った。
バスに揺られて、私は駅に向かう。
そこには、ゆかがすでに来ていた。
緊張した面持ちで立っているゆかを見た私は微笑んだ。
今日は天気がいい。
最高の日になって欲しいな…
『ゆか~』
私はバスを降り、ゆかに手を振る。
『百合~』
『おはよ!ゆか気合いはいってるね?』
ゆかを上から下へと見る。
可愛らしい格好をしていて…
疾風君が好きになるのも無理はない。
『ちょっと気合い入ってまった!変やない?』
『可愛いよ~!!』
『ありがとう』
『あっ疾風君とタクミ君だ!』
『えっ!?』
私が指をさす方に、疾風君とタクミ君が歩いてくる。
二人ともかっこいい身なりをして。
『おはよ!!待った?』
タクミ君が私たちに元気にこう言う。
一方の疾風君は、緊張しているせいか、黙ったままだ。
ゆかも疾風君と同じ。
ゆかも疾風と同じ。
『みんな集まった事だし!どこ行く~?』
『ん~カラオケとか?』
考えた末出た言葉。
それはカラオケ。
カラオケなら楽しめるはずだ。
『いいね~!!』
行く場所は決定。
私達は近くのカラオケに向かった。
『おい~疾風なんか喋ろよ』
『やばいやばいやばい…』
『ちょっとゆか、何か話しなよ~』
『無理無理無理…』
こんな二人を見て、
私とタクミ君は見合わせて困った顔をする。