この声が枯れるまで

みんな適当に曲を入れていく。
最近の流行りの歌が次々に始まっていく。
時間は経つのに、
疾風君とゆかはなかなか喋れずにいた。


『学校では仲良く喋ってんのに~』

私はこう小さく声を出した。

その言葉を聞いていたタクミ君が、『俺ら抜ける?二人っきりにしてあげよっか?その方がいくね?』と怪しい笑みを浮かべながら、言ってきた。

『そうだね~!!!そうしよ!!』


私はその作戦に賛成をする。


『じゃあ作戦開始♪』


私とタクミ君は、疾風君とゆかを二人っきりにしてあげる事にした。


『ちょっと俺と百合、抜けるから、金置いとくわ』


『は!?』


『え?!』


案の定、目を丸くさせ、驚いた表情を見せる二人。

『じゃあね、疾風君、ゆか!』


―パタン…


私とタクミ君は、二人を置いてカラオケから抜け出した。


『仲良くなるかな~あいつら』

『どうだろうね?』


私たちは笑いながら歩道を歩く。


『これからどうする?まだ昼だけど?』


タクミ君は携帯を見ながら私に聞いてきた。


『どうしよっか~…』

『あっ家来る?ちょうど今日親父仕事なくて休みなんだ!!』


『本当?行く~!!』


私たちはそのままタクミ君の家へと向かうこととなった。


でも、この行動がパパへの不安が積もるなんて…知らなかった。





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