この声が枯れるまで
『ちょっと遠いけど…いい?』
『うん!!』
私とタクミは電車に乗り、2つ先の駅に向かう。ここの街は、私の街より少しだけ都会で、なんだかわくわくした。
駅からしばらく歩くと、豪邸が立ち並ぶ、住宅地へと踏み入れた。
そして、一番奥の豪邸に着くと、『ここ…俺ん家』とこうその豪邸を指さしてタクミ君が言った。
『…ぇえ!?大きい家!タクミ君…おぼっちゃま?』
『なんかその言い方嫌!親父弁護士だから』
門を開けて、私を誘導してくれる。
『すごいねー!!』
『まぁ入って?』
私は、大理石の床に足をついた。
中に入ると、やっぱりすごくて、お姫様になった気分になる。
『親父~?』
タクミ君はお父さんを呼びに行った。
私は、家政婦さんに部屋へと誘導されて、大きなソファーに座らされた。
―数分後…
『親父連れてきた』とこう言ってタクミ君が入ってきた。
ドキドキと高鳴る鼓動。パパの友達に会えるんだ…
なんだか不思議な感じ…
ゆっくりと開くドア。
ドアが開けきると、タクミ君によく似た人がいた。
この人がタクミ君のお父さん。
そして…パパの友達…