この声が枯れるまで
ここはどこだろう?
周りが白くて何も見えない。
すると、目の前に女の人が立っていた。
私と同じくらいの歳。
すごく可愛い人だ。
色が白く、ほんのりと赤い唇。
とても、魅力的な人。
彼女は私に笑顔を見せた。
『…あなた名前は?』
『百合…鈴木百合…』
不信感を抱くことなく、さらりと答える私。
『百合ちゃん…ね』
こう彼女は言うと笑顔は消え、一粒の涙を流した。
『何で泣いてるの…?』
『…会いたかった…』
彼女はこの言葉を言って私の前から消えていった─…
あの人は誰だったのだろう?
『…り…百合ー!!??
今日学校でしょ!!??早く起きなさい!!』
ドアの向こう側からママの声が聞こえてくる。
『ふぁ~い』
私の夢はここで終わった。
すごく夢の続きが気になるがもう見ることは出来ない。
今何時かと、携帯を見ると時計の針は、7時半を回っていた。
『やば…』
私は急いで一階に行き、洗面所に向かい、顔を洗った。
そしてリビングに朝食を食べる為向かう。
『もぉ~ママ早く起こしてよ~』
文句をこぼしながら、
椅子に座る。
『起こしたじゃない!!
早くご飯食べなさい』
ママは焦りながら朝食を私の前に置いていく。
私はパンを一口サクリと食べた。
『姉ちゃんは朝からうるさい』
『何よ!!楓!!』
私を睨みつけて牛乳を飲むのは弟との楓だ。
『ほらね』
『二人共やめな…』と言ってリビングに入って来たのはパパだ。
新聞を片手に、欠伸をするパパに、私はおはようと言う。
パパは私に笑顔を見せてくれた。