この声が枯れるまで
私はずっと考えてた。
授業中も、休み時間中も、隣にいる光輝の事を。ただ横目でしか見えなくても、あなたが好きなんだなって思う。
もう私、恋に溺れていた。
『百合…あんた恋したやろ?』
今は昼食の時間。
食堂が生徒たちで溢れている。
ゆかの一言で、カレーライスを口に運ぶ私の手が、止まった。
『へ…?』
『やっぱり?今日百合を見とったらな、あれは一発で分かるわ。百合、光輝君見すぎ』
『嘘?本当に?最悪~…』
私はグラスに入る、透明な水を口に運ぶ。
『何で最悪なん?いい事やん。いつでも相談のってあげるわ』
『ゆか~…ありがと…』
『抱きつくのは後にしてな?百合、口にカレー付いてるで?』
『嘘!?』
私は慌てて紙ナフキンで口を拭く。
そして『取れた?』とゆかに確認を求める。
ゆかは首を縦に振って優しく微笑んだ。
『ほんまに百合は天然やな』
『へへっ。抱きついてもいい?』
『どーぞ?』
私は隣に座る、ゆかに抱きついた。
ゆかになら何でも話せそうだった。
そして未紗にもメールで報告をする。
親友だから…
未紗は喜んでくれた。
ゆかと同じ言葉を私に言ってくれた。
私、この恋が、桜のように簡単に散ったとしても、後悔しないように、ずっと好きでいたい。
恋に素人な私が出した小さな答えだ。