この声が枯れるまで

急いで部屋へと行き、
急いでヘアーアイロンをセットし、急いでコンタクトを入れた。
コンタクトを入れた瞬間、私の目から写る世界が、変わる。


『よし!』



それから化粧をして、制服に着替え、温めていたヘアーアイロンを手にする。

ヘアーアイロンを使うと、さっきまでボサボサだった私の髪は、落ち着きを取り戻す。


『完璧!』

準備が終わると、時計を見た。
7時50分。
どうにか間に合った。


『間に合った!』


私は学生鞄を持ち、ヘアーアイロンの電源を切り、部屋の電気を消して、玄関へと向かった。



『ママ、行ってきます!』


『はい、行ってらっしゃい!夜遅くならないようにね!』



『はぁい!』


私はバス停へと向かう。やっぱりまだ朝の日差しに慣れていないせいか、空を見上げると、眉間に皺を寄せてしまう。
でも慣れてくれば、
そんな事はない。
慣れって大事なんだと思う。



『あっ未紗!』


『あっ百合!』


バス停に着くと、ちょうど未紗もバス停に着いたいた。


『ぴったりだね!』


『すごいね、私たち!』

私たちの息は今日もぴったりだ。
その時、向こうからバスが来る。


『あっ未紗、バス来たよ!』


私たちの前でバスは止まり、そして私たちを運んでいく…




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