この声が枯れるまで

時は勝手に過ぎて、
もう夕方になっていた。茜色の空が鮮やかで、
私は夕方が好き。


『ゆか!じゃあね』


『気ぃつけて帰り~』


私は、ゆかに手を振り、教室から出て行った。
もう朝の私は居なかった。
光輝の笑顔が見れたからかな?と思ったりする。

今日の帰りは一人。
未紗は部活見学で残っていくらしいから。

私は一人で下駄箱に行く。
夕焼けの光が下駄箱に少しかかる。
少しだけ寂しい気持ちになるが、私は笑顔を作る。

『帰ろっと…』

帰りはいつもと同じように、バス停に向かうはずだが、今日はバス停向かわなかった。
ふと、さっき思い出した。
今日は雑誌の発売日。


『あるかなぁ~』


私は心配そうに独り言を呟く。
そして、学校から一番近い本屋に立ち寄った。

私は急いでファッション雑誌のところへと行く。

『あっあった!ギリギリ!』


最後の一冊のようだ。
私は嬉しそうに、ファッション雑誌を手に取り、レジへと向かう。

そしてお金を払い、店を出る。


本屋にいた時間、わずか5分。


『良かったぁ!』


満足な私に…悪戯をする。
次の瞬間、今さっきまでの私の嬉しそうな笑顔は突然と、消えた。


だって─…あなたが…





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