この声が枯れるまで

恋が成長したと思っていたが、すぐに枯れてしまった。
自分でも分かる。
この恋は叶わないと。


『パパ…だめだ…叶うって思ってても…だめだよ…』


頭から離れない。
光輝の言葉の全てが。
光輝はどんな想いで私に言ったの…?
光輝には私に対する感情なんてないよね…


私は泣き疲れて、眠りについた。


…さっきまで真っ暗だった部屋に、太陽の光が入ってきて、部屋が明るくなっていた。

もう朝になっていた。
枕には、涙の痕がついていた。


『…はぁ…』


私はため息ひとつ出すと、起き上がり、洗面所へと行った。


洗面所の電気をつけ、自分の顔を鏡で見た。


『うわぁ…目腫れてる…』

昨日の涙のせいで、目が腫れていた。


『ショック…でも右目だけで良かった…』


腫れていたのは右目だけで、左目はなんとか大丈夫だった。


私は蛇口をひねり、水を出した。

冷たい水が私の顔を洗い流す。
そして私は目覚める。


やっぱり昨日の事を思い出すと、涙が出そうになるが、
私はなるべく思い出さないようにした。


だって…
また涙が流れるから…




< 49 / 126 >

この作品をシェア

pagetop