この声が枯れるまで
学校に着くと、ゆかはまだ来ていなかった。
『ゆか…来てない…めずらしいな…』
私はそう言い、席に着く。
『百合!おはよ!』
私に挨拶をしてきたのは、光輝だった。
『あっおはよ』
『昨日、修とどうなった?』
昨日、あれから北野修とメールを少しだけ続け、私は泣き疲れて眠ってしまった。
朝、携帯を一回も開けていなかった。
『メールしたよ?』
『で、良かった?』
『うっうん…まぁまぁ…』
光輝の言葉、ひとつひとつが私の心を更に傷つけていく。
気を紛らわすため、私は携帯を開けた。
すると昨日メールをした北野修君からメールが来ていた。
《またメールちょうだいね☆》
私は、《うん☆》とだけメールを送り、携帯を閉じた。
『今度、修と遊ぼうぜ!』
『え…』
また、あなたはそうやって私を傷つけるの?
『修も遊びたいって言ってたし!いいだろ?』
『今度ね…』
苦笑いを浮かべて、こう言うしかできない私。
『まじお前らには期待するからさ!でも修がお前に惚れるとはなぁ~
あっ怒るなよ?
まじ応援するわ~』
隣で楽しそうに話す、光輝。
私はそんな光輝が嫌でたまらなかった。
光輝にもし好きって言ったら…どうなるのだろう?
私はまだ恋に臆病だから、告白なんて…出来るわけない…