この声が枯れるまで
『百合おはよ!今日は早いなぁ!』
元気に教室へ入ってきたのは、ゆかだ。
『あっゆか…おはよ』
ゆかは私の異変にすぐ気付いた。
『百合…どないしたん?その目…』
こう言って、私の右目に軽く触れる。
光輝は私の右目の腫れなど気付かなかった。
でもゆかはすぐに気付いてくれた。
そんなゆかの優しさが心に染みる。
『ゆ…ゆかぁ…』
私は我慢出来ず、ゆかを廊下へと連れ出した。
ゆかは驚いた様子で、私を見る。
『ゆっ百合?どうしたんよ?』
『こっ光輝…が…
私の連絡先聞いた…じゃない?あの理由ね?友達の為なん…だってぇ…』
私は泣きながら、ゆかに全てを話した。
ゆかはただ頷くだけ。
でもちゃんと聞いてくれていた。
ゆかの優しさだ。
『百合…光輝君の事…
本当に好きなんだね?』
私はコクンと首を縦に振る。
もう、私は光輝が好きで好きで、どうしようもなくて、辛い。
『ゆか…私どうしたらいいかな?光輝には好きな人がいるんだよ?彼女がいるんだよ?』
答えが欲しい…
早く、早く。
答えがなければ、
なにもかもが辛いだけ。