この声が枯れるまで

『う~ん…私は諦めん方がいいと思う!』


『え?』


私はキョトンとした顔で、ゆかを見た。


『諦めたら終わりや!
いつか、百合の事を好きになってくれるかもしれへんやろ?』



『そんな日…来ないよ…』


流れる涙を指で拭いて小さく笑う私。
するとゆかが私の両肩を掴み真剣な顔を向けた。

『百合?あんた幸せもんやで?普段、光輝君があんたに見せるような笑顔を、他の誰かに見せてるとこ、見た事ある?』


『ない…』


『やろ?前に言ったやん。百合の事好いてるって。そりゃ…彼女が一番かもしれんよ?でも、百合に見せる笑顔は彼女に見せる笑顔と変わらへんよ』



『うっうん…』


『いつか…その胸ん中にある気持ち、ぶつけれる日が来るとええな…』



ゆかの言葉にね、
すごい励まされたの。


『ありがとう…ゆか…』


『いいよ。ほな、次はうちのノロケ話聞いてな?』



『いいよ!任せて!』


ゆかは私の笑顔を見て、安心したような顔をした。

そして、授業が始まるまでゆかは私に、ずっと疾風君とラブラブ話をしていた。


パパ…

私もう少しだけ、信じてみようかな。

叶うって。
信じてみようかな。





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