この声が枯れるまで

『まずどこ行く?』


『百合はどこか行きたいとこある?』


修君が私の顔を見て言う。
修君の顔が見られなくて私は視線を足元へと逸らした。


『えっ…うーん…あんまり?』


『じゃあファミレス行こうぜ?』


こう修君が提案をした。それに賛成する光輝と私。


『ファミレス行こうぜ!』

『私も行きたい!』


光輝の声と私の声がハモる。


『よし、行こうぜ!』


私達は、近くのファミレスへと行った。


『何注文しよっかなぁ~』

私が楽しそうにメニューを見ていると、修君と目が合った。
修君はさっきと同じ笑顔をした。
その笑顔を見ると、なぜか照れてしまう。


『俺は~イチゴパフェ!』


光輝がメニューに載っているイチゴパフェに目を輝かせていた。


『えっ!ちょっと光輝!私もイチゴパフェにしようとしたのに!光輝はチョコにしてよ!』


『俺チョコ嫌い!百合がチョコにしろよ!』



『嫌だ!絶対嫌!』



『あはは!お前ら仲良いなぁ!ガキみてぇ』



修君は私たちを見ながら、口に手を当てて笑う。

『修、それはないぜ…』
『私、嫌だ!』


『はいはい。じゃあ頼みますよ?』



結局私達が頼んだメニューは、イチゴパフェ2つに、アイスコーヒー1つ。
修君に仲良いと言われ、少しだけ気分が上がった事、内緒にしておいても…いいよね?




< 56 / 126 >

この作品をシェア

pagetop