この声が枯れるまで
『てか修は百合をどこで見たん?』
イチゴパフェをおいしそうに食べながら光輝は言う。
『いつだったかな?
忘れたけど、バス停で百合を見てさ。もう見ただけでタイプで、それで惚れたのかな?』
修君の話を聞いて、スプーンに乗っていたイチゴがぽとっと落ちた。
『へ…?』
『良かったなぁ!百合!物好きがいて!』
『へぇ~…えっ…うん…照れるね?』
私はもう一度イチゴを乗せて、口へと運ぶ。
『そう?俺は早く伝えたかったよ?昨日初めてメールして、やっぱ良いなって思った』
『あっありがとう…』
『考えてよ?百合』
『うっうん…考えるね』
修君の真っ直ぐな瞳で見つめられたら、断ることなんて出来なかった。
すると急に光輝は黙りだす。
そんな光輝の異変に気付く私。
光輝の方をチラッと見ると、光輝は悲しい瞳をして、ずっとパフェを見つめていた。
光輝は…
パパと同じ瞳をしていた。
『俺、そろそろ帰るわ!彼女と約束あるし!』
光輝が立ち上がり、パフェ代を置いて、ファミレスを出ていった。
あの光輝の瞳を意味するものは…なんなのだろう?