この声が枯れるまで
『百合は光輝と仲良いんだね?光輝、めったに女の子とはなさないからさ』
『そうなの?』
『うん、彼女と百合くらいなんじゃない?』
『そうなんだ!』
暗い夜道、私の顔は笑顔で輝いているだろう。
『はぁ…百合、あのさ…』
突然溜め息を漏らして、私を見下ろす修君。
でも私は今それどころじゃなかった。
嬉しくて…。
『修君!私ここから一人で帰れるから!またね』
『えっ…うん、また会えるかな?』
『また連絡して?今日はありがとう!じゃあばいばい!』
『うん、ばいばい…』
私は笑顔いっぱいで修君に手を振り、家へと帰って行った。
修君のくれた最高の言葉で、私は元気になる。
『ただいまぁ!』
『百合…おかえり』
玄関にいたのは、パパだ。
『パパただいま!』
溢れ出す笑顔を見たパパは、目尻に皺を作り、優しく微笑む。
『元気だな?』
『まぁね!あっパパ!
私、もう少し頑張ってみる。諦めかけてたけど…頑張る!』
『そっか…百合?ちょっと来なさい』
するとパパは私を書斎へと呼んだ。
『新しい写真現像したんだ。百合にあげるよ』
パパが私にくれた写真は、あの秘密の場所の桜の写真だった。