この声が枯れるまで
その写真は、とても鮮やかで、吸い込まれそうになる、とても綺麗な写真だった。
『綺麗…いいの?もらっても…』
私はその写真を握りしめパパを見る。
『百合のために撮ったんだ』
『ありがとう!早速飾るね!あっパパ…頼みがあるんだけど…』
『何?』
『もう一枚…写真ちょうだい?』
『もう一枚?いいよ?好きなの持ってきな?』
『わーい!ありがとう!』
私はたくさんの写真の中から、空の写真を手にした。
私が欲しい理由は、
光輝にあげたかったから。
前にパパのファンって言ってくれたから。
光輝の笑顔が見たいから。
ただ、それだけ…。
『パパ!ありがとう!』
『いいよ…百合…』
私は二枚の写真を持って、書斎を出た。
『はぁ~修君いい人だったな…でも嬉しかったなぁ…光輝…彼女と私としか喋らないんだ…』
さっきもらった写真を見た。
何回見ても飽きることはないだろう。
『パパ…やっぱ凄いな…光輝…喜んでくれるかな?』
早く明日になって欲しいと、私は願う。
明日、光輝の笑顔が見れると信じて、私は眠りについた。
でも、私の思いは届かなかった…