この声が枯れるまで
―翌朝…
『今日の最下位はいて座!何事もいまいち。
神経質にならないようにね!ラッキーメニューは、カルボナーラ!』
朝の番組占い。
私はこの占いを見て一気にテンションを低くする。
『嘘…最下位?』
今日の占いでは私の星座は最下位らしい。
『ちょっと姉ちゃんうるさいって!』
『ちょっと黙って!楓!はぁ~まじ最悪ぅ…』
今日のテンション、占いのせいでガタオチだ。
せっかく、今日の夢に、光輝の笑顔が出てきたのに…
素敵な日になると思ってたのに…
『占いなんてあまり当たらないでしょう?ほら、学校の準備しなさい』
ママは占いは当たらないという。
でも最下位になると、すごい嫌な気分になるのは、私だけかな?
『いってきまぁ~す…』
いつもとは違う、低い声で家を出ていった。
『はぁ~…もう…』
バスの中でため息をつく。
『何よ?何かあったの?』
隣に座っている未紗が、私のため息に気付いた。
『占いが最下位だったの…』
『なーんだ。でも分かんないじゃん?いい事あるかもよ?』
『かなぁ?そうだといいな!』
―清秀高校前。
『ほらっ!着いたよ!行こ!』
バスは私たちを運んで目的地へと辿り着く。
私は無理やり笑顔を作ってバスを元気よく降りた。