この声が枯れるまで
鞄の中に、昨日パパからもらった写真が入っている。
これは光輝へのプレゼント。
これをもらった光輝は、夢の中で見せた笑顔になってくれるかな、と期待し、教室に入って行った。
教室に入ると、一番最初に見つけた人。
やっぱり光輝。
占いでガタオチだったテンションも、急激に上がる。
『こっ光輝!おはよ!今日は早いね?』
『おっ…おはよ』
今日の光輝は元気がなかった。
どうしたのだろう?
心配になる。
『…元気ないね?』
『そう?いつもと同じ』
違う、今日の光輝はいつもと違う。
何か考えてる。
好きだから、そのくらい分かる。
私は、元気がない光輝はあまり好きではない。
だから、パパの写真で元気になってもらおうとした。
『光輝!光輝にプレゼントがあるんだ!昨日のお礼!はい!』
私は光輝の机に写真を置いた。
『これ…』
それを見た光輝に輝きが増していく…
『パパが撮った写真!
光輝パパのファンなんだよね?だからあげる!』
『……ありがと』
でもその輝きは一瞬にして消え、光輝は一言だけ呟いた。
笑顔は見れず、無表情のまま。
私が望んでいた光輝の反応とは違う。
こんなはずじゃ…なかった。