この声が枯れるまで

『何で…そんな悲しい顔するの?』

光輝は私の顔を見てこう言う。
私はすぐ顔に出るという事を忘れていた。
今も光輝の言葉で私の笑顔は無くなり、悲しい目になっただろう。


『…だって…心配なんだもん』


『何で?俺が心配?何で百合が心配するの?』


この時私は決めた。
今言うと。
光輝に私の今の気持ちを伝えると。


『光輝が~…』


空気を吸い込み、息を吐く。


『俺?』


『光輝が…光輝が…』


さっきまで言えていた、《好き》という言葉が出なくなってしまった。


『百合?』


『だって光輝が好きなんだもん!』



…ついに言ってしまった。
もう後戻り出来ない。
光輝は驚いた顔で私を見ていた。
次第に私の顔は熱り出す。


『百合…何言ってんの?冗談だろ?』


引きつった顔をして笑う光輝に向かって、私は真剣な顔を見せた。


『冗談でこんな事言うと思う?本気だよ…』


『…何て言えばいいか…分かんねぇ…』


『ちゃんと聞かせて?光輝の気持ち…』


私はゴクンと生唾を飲んだ。


『俺…』


『うん…』


『俺は…俺は…えっと…』


『うん…何?』



光輝はゆっくりと口を開いた。




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