この声が枯れるまで

『俺…』


光輝から言葉が出る度、私の鼓動が速くなっていく。

『俺…彼女…いるし、
彼女が…大事だから…』

光輝の返事を聞いた私は、何故か落ち着いていた。
泣きたいくらい悲しい言葉なのに…こんなにも落ち着いている自分に驚きを隠せない。


『そっか…そうだよね!ごめんね?でもありがとう…光輝の気持ち聞かせてくれて…』


『でも百合…俺…』


『やめて!今ね、すごくいい気分なんだ!すっきりした!だから気分壊さないで?何も言わないで…ありがとう…光輝…』

溢れてくる涙を必死におさえながら、私は言った。
そして空を見上げる。
空には満点な星が顔を出していた。


私は立ち上がり、光輝から一歩ずつ離れて行く。

『ありがとう…光輝…』

私…後悔なんてしてない。
光輝を好きになって良かった。
成長出来たから。

感謝しなくちゃね。
光輝に。

涙は私の頬を流れる。


『でも…やっぱり…
辛いなぁ…はぁ…』


光輝と出会って、もう3ヶ月が経とうとしていた。

光輝を好きになって、
3ヶ月が経とうとしていた。


フラれても、私はまだ光輝を忘れる事は出来ないだろう。




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