この声が枯れるまで
私はまだ涙を流していた。
『光輝…好き…今もこの先もずっとずっと好き…明日…学校どうやっていけばいいの…』
光輝は間違った答えを出していない。
光輝に彼女がいるのにも関わらず、好きになって、勝手に告白して…
勝手に泣いて…
よく分からない…
自分が…よく分からない…
―トントン…
部屋をノックする音が聞こえた。
私は必死になってティッシュで涙を拭く。
見られたくない、こんな姿。
『はっはい…』
『百合?パパだけど…入ってもいいか?』
『パパ…うっうん…どうぞ…』
私の言葉を聞いたパパが私の部屋に入ってきた。
『どうしたの?パパ』
『どうしたのってパパのセリフだよ。ママと楓が心配してたからさ。夕飯も食べなかったんだろ?どうかしたのか?』
パパ…心配してくれて、わざわざ来てくれたんだ…
それとママも楓でも…
『…フラれちゃったの…好きな人に…』
『…そうか…そうだったのか…』
『うん…』
『大丈夫か?随分泣いたみたいだけど?』
パパはゴミ箱のティッシュを指差して、私を見た。