この声が枯れるまで
会いたいという気持ちは時間が過ぎると共に増していく。
そして帰る頃となった。
『ゆか!じゃあね!』
『百合?帰んの早ない?気ぃつけて帰りなね』
『はいはーい!』
私は猛スピードで駆け出して行った。
秘密の場所へ行く為に。
今の私の行動っておかしいかな?
おかしいって言われても構わない。
変だって言われても構わない。
それだけ光輝が好きだから。
好き過ぎて…
好き過ぎて…
躰がおかしくなっている。
『はぁ…はぁ…』
息を切らして秘密の場所へ走っていった。
その場所へと近付くにつれ、誰かがベンチに座っているのが見える。
私の高校の制服の人。
どこかで見た事のある人。
私が間違えるはずはない。
あれは私の愛しい人。
『はぁ…こっ光輝…』
そう…
光輝がいた。
私の小さな望みが叶った瞬間だった。
『ゆ…り…』
『光輝…』
私達はしばらく見つめ合った。
『光輝…何でいるの?』
先に口を開いたのは私だった。