この声が枯れるまで

『光輝…何でいるの?』

『百合こそ何でいんの?』

『言ったじゃん…ここは私の大好きな場所だって』


『俺も同じ理由だよ』


『…座っていい?』


そう光輝に聞くと、
光輝は首を縦に振った。
私は光輝の横に座る。
すると緊張しだす私。
だって昨日ここで光輝に告白したから。

昨日の事を思いだしてしまった。
夕焼けの空や、満点の星空。
まだ私の胸に焼き付いている。


『…こっ…光輝…何で今日学校来なかったの?
制服来てるのに…』


『あ…うん。行こうとしたけどやめた』


『何で?』


『何でって…』


『もしかして…昨日の事気にしてるの?』


『気にしない方が変だろ?』


『やめてよ!忘れて忘れて!』


私は無理矢理笑顔を作り、光輝に見せた。
光輝は目を大きくして驚いた表情を見せる。


『…それでいいの?』


『……いいに決まってるよ!もう違う恋に進んでるし?』


『本当か?』


『うん!』


『良かった…』


光輝はすごく安心した顔を見せる。
その表情を見た私の胸は、小さく揺れた。


光輝…そんな顔を見せないで。

辛くなるから…

良かったなんて言わないで…

泣きたくなるから…


私の気持ちはまだ、
光輝に向いているよ…




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