この声が枯れるまで
完成しそうなパズルを、誰かに崩されたように、私の中もバラバラになっていく。
『小林…百合…パパは辛くないのかな…私の名前を呼ぶ度、悲しい思い…しないのかな…』
込み上げてくる涙。
それは我慢出来なくなったのか、私の頬を許可なく流れていく。
『…優は忘れたくないんだよ、小林の存在を…』
『え…何で…』
『小林はね、優の太陽だったんだ』
『太陽…』
『自分の進む道を教えてくれた太陽なんだ。道を教えてくれた太陽なんだって…昔そう言っていた』
『…パパ…』
大きな部屋に私のすすり泣く声が響く。
思考出来なくなった私の頭に、パパの笑顔が次々と浮かんでくる。
パパの優しい笑顔が…
『優は強かった。優は…小林との約束をちゃんと守っていた。あの二人は、すごくすごく…遠回りした…でも…ちゃんと愛し合っていた。でも…突然…小林は消えてしまった。優は…逃げなかった。普通なら…逃げるはずなのに…優は現実と向き合ったんだ。小林との約束を守るって頑張っていたよ。それでね…ちゃんと…叶えたんだ』
『パパは…百合さんと…何を約束したのですか?』
パパ、あなたは…
強い人間だね─…