この声が枯れるまで
パパは…
小林百合さんとどのような恋をしていたのだろう…
パパは…ママとどのような恋をしたのだろう…
パパの事を考えれば考える程、胸が苦しくなる。
ぎゅって誰かに絞められている気がする。
『はぁ…悩む事が多いなぁ…パパ…教えてくれるかな?』
~♪
すると突然、携帯が鳴り出した。
びくっと飛びはねる私。
『びっくりしたぁ…もう…誰?』
液晶画面に、知らない番号が写し出されていた。
『…悪戯?』
悪戯にしては、鳴りっぱなしだ。
私はおかしいなと思い、通話ボタンを押した。
『もしもし…』
『…百合?』
『こ…うき…』
電話の正体は、光輝だった。
『うん…今大丈夫?』
『平気だよ…』
『百合…言いたい事あるんだ…今から、俺達の秘密の場所に来てよ』
『え…言いたい事?』
『うん…だから知りたかったら早く来て?』
『うん!』
今の私の顔に浮かぶものは…笑顔。
だだそれだけ。
私は無我夢中に走る。
光輝のいる…あの場所へ…
でも…
私は暗い世界に包まれた。
光輝?
早くあなたに会いたい…
会いたいの─…
ねぇ、光輝─…